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2016/03/31(木) 12:25:05.63 ID:CAP_USER
【プレスリリース】炭素材料の温度差発電性能を食塩の添加により飛躍的に向上 〜実用化水準の耐久性をもつn型カーボンナノチューブの熱電発電シートを開発 新しい無停電電源への応用期待〜 - 日本の研究.com
https://research-er.jp/articles/view/45036
【概要】
奈良先端科学技術大学院大学(奈良先端大、学長:小笠原直毅)物質創成科学研究科 光情報分子科学研究室の河合 壯(かわいつよし)教授、野々口斐之(ののぐちよしゆき)助教らは、世界最高水準の発電性能と耐久性を有するフレキシブルな熱電発電(温度差発電)シートを開発しました。特に高耐久化の問題を改善するため、材料のカーボンナノチューブに食塩などを添加することにより、出力特性が従来の約 3 倍に向上したうえ、150 度の温度で1ヶ月以上の性能保持を実現しました。
この技術を使い試作した熱電発電デバイス(装置)は柔軟で、熱源に貼るだけで発電できることから、工業プラントや自動車の配管で生じる熱、複雑な形状をもつラップトップコンピューター等の排熱を利用した電力供給のほか、体温によるヘルスケア機器の駆動など、省エネや地球温暖化の抑制に貢献する応用が期待されます。また、有機材料の場合にしばしば課題となる高耐久化を実現したことから、熱電発電炭素材料の実用化への取り組みが加速することが期待されます。
今日、消費されるエネルギーのうち約 3 分の 2 が未利用のまま環境中に放出されています。その排熱の 80%以上は 200℃以下であり、自動車などの移動を伴う排熱源が多いため、フレキシブルで軽量の熱電発電デバイスが望まれています。これまでには導電性高分子がフレキシブルなプラス型(p型、低温側がプラスに帯電)の熱電材料として注目されてきました。しかし、実用的な高効率発電のためには、高性能で耐久性があるマイナス型(n型、低温側がマイナスに帯電)熱電発電材料を開発し、これらを組み合わせて双極型熱電発電シートを実現する必要がありました。
これまでに河合教授らは、軽くて丈夫なカーボンナノチューブに着目し、その熱電発電特性について研究を重ねてきました。平成 25 年には通常はp型を示すカーボンナノチューブを安定なn型に変える一連の薬剤(ドープ材料)を発見し、非常に困難とされていたフレキシブルなn型熱電変換材料の開発に成功しました。
この研究成果が契機となり、カーボンナノチューブを用いた温度差発電技術の世界競争が過熱してきました。一方で、従来技術によるカーボンナノチューブを用いた双極型温度差発電シートは依然、空気中で劣化しやすいため、実用化のためには安定化技術の抜本的な見直しが必要でした。
今回、研究チームではとくに、マイナス型(n型)有機材料の不安定性の起源を化学結合のレベルから見直しました。その結果、ナトリウムイオンやカリウムイオンと結合する性質を有するクラウンエーテルという有機化合物とともに食塩(塩化ナトリウム)などの薬剤をカーボンナノチューブに添加することで、世界最高水準の熱電発電性能と高い耐久性をもつマイナス型カーボンナノチューブ複合材料を開発しました。この成果は、Wiley 出版(ドイツ)の国際科学誌「Advanced Functional Materials」(アドバンスト・ファンクショナル・マテリアルズ)に掲載される予定です(プレス解禁日時:日本時間 平成 28 年 3 月 30 日(水)午後 7 時)。
(以下略)
https://research-er.jp/articles/view/45036
【概要】
奈良先端科学技術大学院大学(奈良先端大、学長:小笠原直毅)物質創成科学研究科 光情報分子科学研究室の河合 壯(かわいつよし)教授、野々口斐之(ののぐちよしゆき)助教らは、世界最高水準の発電性能と耐久性を有するフレキシブルな熱電発電(温度差発電)シートを開発しました。特に高耐久化の問題を改善するため、材料のカーボンナノチューブに食塩などを添加することにより、出力特性が従来の約 3 倍に向上したうえ、150 度の温度で1ヶ月以上の性能保持を実現しました。
この技術を使い試作した熱電発電デバイス(装置)は柔軟で、熱源に貼るだけで発電できることから、工業プラントや自動車の配管で生じる熱、複雑な形状をもつラップトップコンピューター等の排熱を利用した電力供給のほか、体温によるヘルスケア機器の駆動など、省エネや地球温暖化の抑制に貢献する応用が期待されます。また、有機材料の場合にしばしば課題となる高耐久化を実現したことから、熱電発電炭素材料の実用化への取り組みが加速することが期待されます。
今日、消費されるエネルギーのうち約 3 分の 2 が未利用のまま環境中に放出されています。その排熱の 80%以上は 200℃以下であり、自動車などの移動を伴う排熱源が多いため、フレキシブルで軽量の熱電発電デバイスが望まれています。これまでには導電性高分子がフレキシブルなプラス型(p型、低温側がプラスに帯電)の熱電材料として注目されてきました。しかし、実用的な高効率発電のためには、高性能で耐久性があるマイナス型(n型、低温側がマイナスに帯電)熱電発電材料を開発し、これらを組み合わせて双極型熱電発電シートを実現する必要がありました。
これまでに河合教授らは、軽くて丈夫なカーボンナノチューブに着目し、その熱電発電特性について研究を重ねてきました。平成 25 年には通常はp型を示すカーボンナノチューブを安定なn型に変える一連の薬剤(ドープ材料)を発見し、非常に困難とされていたフレキシブルなn型熱電変換材料の開発に成功しました。
この研究成果が契機となり、カーボンナノチューブを用いた温度差発電技術の世界競争が過熱してきました。一方で、従来技術によるカーボンナノチューブを用いた双極型温度差発電シートは依然、空気中で劣化しやすいため、実用化のためには安定化技術の抜本的な見直しが必要でした。
今回、研究チームではとくに、マイナス型(n型)有機材料の不安定性の起源を化学結合のレベルから見直しました。その結果、ナトリウムイオンやカリウムイオンと結合する性質を有するクラウンエーテルという有機化合物とともに食塩(塩化ナトリウム)などの薬剤をカーボンナノチューブに添加することで、世界最高水準の熱電発電性能と高い耐久性をもつマイナス型カーボンナノチューブ複合材料を開発しました。この成果は、Wiley 出版(ドイツ)の国際科学誌「Advanced Functional Materials」(アドバンスト・ファンクショナル・マテリアルズ)に掲載される予定です(プレス解禁日時:日本時間 平成 28 年 3 月 30 日(水)午後 7 時)。
(以下略)