アメリカではコンピューターサイエンスの学位を取得する女性は全体のわずか18%にとどまります。
一方で、アルジェリアでは科学・テクノロジー・エンジニアリング・数学分野で学位を取得した女性が全体の41%を占めます。
この差は何によるものだろうか?ということで、最新の研究結果が発表されました。
The Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Mathematics Education - Gijsbert Stoet, David C. Geary, 2018
http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0956797617741719
The More Gender Equality, the Fewer Women in STEM - The Atlantic
https://www.theatlantic.com/science/archive/2018/02/the-more-gender-equality-the-fewer-women-in-stem/553592/?single_page=true
以下のグラフは横軸がSTEM(科学・技術・工学・数学)の学位を持った女性が全体を占める割合で、
縦軸が男女間の不均衡を示す世界男女格差指数を示すもの。
男女格差が小さいフィンランドではSTEMの道を選ぶ女性の割合が小さく、
逆に男女格差が大きなアルジェリアでは割合が高いことから、
女性の「機会」が小さいほどに女性がSTEM学位を持つ割合が高くなることが見てとれます。
女性がSTEMの学位を持つ割合が40%になるアルジェリアでは、雇用における女性差別が大きく、
女性が夫の機嫌をうかがわなければならないことも多いそうです。
リーズ・ベケット大学の心理学者Gijsbert Stoet氏とミズーリ大学の心理学者であるDavid Geary氏が発表した新しい研究結果が明らかにしたのは、
男女間の不平等が大きな国では、女性は金銭的な自由を得られる可能性を模索し、
科学技術の分野の専門家になることが多いということです。
二人の研究者が世界67カ国の学生のテスト点数を調べたところ、多くの国で女子学生の科学の成績は男子学生の科学の成績と同程度か、それ以上であったとのこと。
大学レベルの科学や数学についても、女子学生は問題なくクラスを受講できる学力があったわけです。
一方、複数の科目を比べた時の「得意科目」について言えば、男子学生の得意科目が科学であったのに対し、女子学生の得意科目は国語でした。
この傾向は、科学のスコアの女子平均が男子平均と同程度であった時にも見られたそうです。
調査対象となった全ての国の女子学生のうち、自分の最も得意な科目が国語であるとしているのは51%で、
数学であるとしているのは25%だったとのこと。
一方、男子学生について言うと得意科目は科学だと答えたのは38%、数学だと答えたのは42%、国語だと答えたのは20%でした。
女子学生が得意科目を国語だと答えたことについて、Geary氏は「少なくとも、女子学生の基礎的な言語能力のアドバンテージが関わっています。
また、一般的に女子学生は読書に対する興味が強く、より多くの本を読み、読書の経験を重ねるのです」と語りました。
また、女性の力が強い国では女性が「自分が最も楽しむことができ、得意とすること」を選ぶことができるため、
逆説的に、男女格差の大きい国ほどSTEMを選ぶ女性が多いのだと研究者らは仮説を立てています。
ただし、「人生全体の満足度」という点を見たとき、発展途上国では学術分野でも女性差別が大きく、
男女格差が小さい国の方が満足度が高かったそうです。
「女子高生は数学が不得意である」という偏見はまだまだ根強く、
STEM分野の雇用において女性が避けられがちであるということはしばしば問題にあがります。
しかし、研究者の中には「ジェンダーにおけるSTEMのギャップが起こるのは『女性が科学を不得意とするため』ではなく
『言語能力の高さから他に得意なものが存在するから』だ」という考えを示す人も。
また、今回の研究では、STEMの学位を取得する人よりも、
数学や科学を得意とする女子学生の割合の方が多かったことが示されています。
これは、リベラルな社会でさえも、科学や数学を得意とする女子学生を、
科学や数学の道から押しやってしまっているということを意味します。
続きはソースで
GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180222-fewer-women-in-stem/
一方で、アルジェリアでは科学・テクノロジー・エンジニアリング・数学分野で学位を取得した女性が全体の41%を占めます。
この差は何によるものだろうか?ということで、最新の研究結果が発表されました。
The Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Mathematics Education - Gijsbert Stoet, David C. Geary, 2018
http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0956797617741719
The More Gender Equality, the Fewer Women in STEM - The Atlantic
https://www.theatlantic.com/science/archive/2018/02/the-more-gender-equality-the-fewer-women-in-stem/553592/?single_page=true
以下のグラフは横軸がSTEM(科学・技術・工学・数学)の学位を持った女性が全体を占める割合で、
縦軸が男女間の不均衡を示す世界男女格差指数を示すもの。
男女格差が小さいフィンランドではSTEMの道を選ぶ女性の割合が小さく、
逆に男女格差が大きなアルジェリアでは割合が高いことから、
女性の「機会」が小さいほどに女性がSTEM学位を持つ割合が高くなることが見てとれます。
女性がSTEMの学位を持つ割合が40%になるアルジェリアでは、雇用における女性差別が大きく、
女性が夫の機嫌をうかがわなければならないことも多いそうです。
リーズ・ベケット大学の心理学者Gijsbert Stoet氏とミズーリ大学の心理学者であるDavid Geary氏が発表した新しい研究結果が明らかにしたのは、
男女間の不平等が大きな国では、女性は金銭的な自由を得られる可能性を模索し、
科学技術の分野の専門家になることが多いということです。
二人の研究者が世界67カ国の学生のテスト点数を調べたところ、多くの国で女子学生の科学の成績は男子学生の科学の成績と同程度か、それ以上であったとのこと。
大学レベルの科学や数学についても、女子学生は問題なくクラスを受講できる学力があったわけです。
一方、複数の科目を比べた時の「得意科目」について言えば、男子学生の得意科目が科学であったのに対し、女子学生の得意科目は国語でした。
この傾向は、科学のスコアの女子平均が男子平均と同程度であった時にも見られたそうです。
調査対象となった全ての国の女子学生のうち、自分の最も得意な科目が国語であるとしているのは51%で、
数学であるとしているのは25%だったとのこと。
一方、男子学生について言うと得意科目は科学だと答えたのは38%、数学だと答えたのは42%、国語だと答えたのは20%でした。
女子学生が得意科目を国語だと答えたことについて、Geary氏は「少なくとも、女子学生の基礎的な言語能力のアドバンテージが関わっています。
また、一般的に女子学生は読書に対する興味が強く、より多くの本を読み、読書の経験を重ねるのです」と語りました。
また、女性の力が強い国では女性が「自分が最も楽しむことができ、得意とすること」を選ぶことができるため、
逆説的に、男女格差の大きい国ほどSTEMを選ぶ女性が多いのだと研究者らは仮説を立てています。
ただし、「人生全体の満足度」という点を見たとき、発展途上国では学術分野でも女性差別が大きく、
男女格差が小さい国の方が満足度が高かったそうです。
「女子高生は数学が不得意である」という偏見はまだまだ根強く、
STEM分野の雇用において女性が避けられがちであるということはしばしば問題にあがります。
しかし、研究者の中には「ジェンダーにおけるSTEMのギャップが起こるのは『女性が科学を不得意とするため』ではなく
『言語能力の高さから他に得意なものが存在するから』だ」という考えを示す人も。
また、今回の研究では、STEMの学位を取得する人よりも、
数学や科学を得意とする女子学生の割合の方が多かったことが示されています。
これは、リベラルな社会でさえも、科学や数学を得意とする女子学生を、
科学や数学の道から押しやってしまっているということを意味します。
続きはソースで
GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180222-fewer-women-in-stem/