「Nature」は大学院生の精神衛生状態を調査した研究の報告を受けて、
研究で発表された内容をTwitterで投稿しました。すると、投稿内容に同調する多数の返信が寄せられる結果となり、
大学院生の多くが精神衛生上の問題を抱えている傾向にあることが明らかとなりました。
Time to talk about why so many postgrads have poor mental health
https://www.nature.com/articles/d41586-018-04023-5
Natureは、2018年3月26日に「世界の博士号や修士課程の学生は、一般人の6倍のうつ病や不安を抱えています。
助けるためにどうしたら良いですか?」とのツイートを行っており、
記事作成時点で1800件以上のリツイートと220件以上の返信が寄せられています。
Raj氏はツイートの返信で「これは1つの問題ではなく、
『財政的な負担』『敵対的な学会』『お役所仕事をされるストレス』『厳しい雇用市場』
『適切なキャリアガイダンスがない』など多方面に広がっていることが問題です。
短期間の学業で得る成果が見合うものになっていません」と語っており、
大学院生が短期間で学位を得る代わりに、数多くの重いストレスを受けてしまうことを問題視しています。
研究者のサラ・ネイサン氏は「毎日ほとんど休むことなく、10時間以上研究などに没頭しているにもかかわらず、
『仕事量が少なすぎる』など誰かから指摘されているのかもしれません。
また、その人が決めた研究の方針などを否定されているのかもしれない」と書かれており、
上司にあたる教授や研究員などからの圧力がストレスになっている可能性が指摘されています。
博士研究員(ポスドク)のベンジャミン・ティッツェ氏は
「大学院やポスドクのシステムを改革するか廃止する必要がある」と根本的な改革が必要であると述べていたり……
研究者のキャサリン・ショー氏は「提出期限までの運転資金として提供される予算は、
出版物への論文掲載などを目的としたものではなくなってきている」と時代の変化が、
大学院生に強いストレスを植え付けているとする指摘もありました。
これらの意見に示されているように、科学の文化は問題を抱えており、
若い研究者に強いストレスを与えている現実があります。さらにNatureが実施したアンケートでは、
博士号を取得した研究者のほとんどが学外のキャリアを考えていることも判明しました。
Natureはこの状況を改善したいと考えているようで、
まずは大学院生が抱える精神衛生上の問題とストレスについて、意見を集めているとのことです。
関連ソース画像
GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180402-postgrads-have-poor-mental-health/