(CNN) 犬は飼い主の悲鳴を聞きつけると、異常を察知してすぐに助けに駆けつける――。24日の学会誌にそんな研究結果が発表された。
実験は米リポン大学の研究チームがさまざまな犬種や年齢の犬34匹を対象に実施。犬と飼い主を2つのグループに分け、ドアで隔てられた2つの部屋に入ってもらった。
犬からはドアの窓越しに飼い主の姿が見え、声が聞こえる状態だった。磁石で取り付けられたドアは、犬が鼻先や足で押せば簡単に開くことができた。
一方のグループでは、飼い主に緊迫した様子で「ヘルプ」と15秒間隔で叫んでもらい、泣き声を上げてもらった。
もう一方のグループの飼い主は、ハミングしながら通常のトーンで15秒ごとに「ヘルプ」という言葉を口にした。
実験の結果、ドアを開けた犬は、飼い主がハミングしたグループでは9匹、悲鳴を上げたグループでは7匹だった。しかしその素早さでは大きな違いが出た。
飼い主の悲鳴を聞いた犬がドアを開けるまでの平均時間は23.43秒。これに対してハミングを聞いた犬がドアを開けるまでには平均で95.89秒かかっていた。
参加した犬のうち16匹はセラピー犬だったが、犬の年齢や犬種、セラピー犬かどうかで目に見える違いはなかった。
もちろん、犬が飼い主に駆け寄った動機や思考を正確に判断する手段はない。それでもこうした研究は、人を助ける介助犬がどんなことに影響されるのかを見極める一助になることが期待される。
CNN
https://www.cnn.co.jp/fringe/35123000.html