宇宙誕生直後に発生した「原始重力波」をとらえる新観測装置「グランドバード」が、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市、KEK)で完成した。回転しながら観測できるため、他の観測装置より広い範囲をカバーできる。来年1月にはスペイン領カナリア諸島に運ばれ、来春から観測を始める予定だ。
京都大大学院の田島治准教授によると、KEKや理化学研究所などが約2億5千万円で開発。装置は直径約2メートル、高さ約3メートルで、内部に絶対零度近くに冷やした受信器がある。880個のセンサーで宇宙の微弱な電波の中に残る原始重力波の痕跡をとらえる。
回転しても、冷却用ガスなどを供給するケーブルがねじ切れない新機構を開発。3秒で1回転させることで、約10秒で起きる大気の揺らぎによる影響を除去できる。一日で全天の半分と、従来の約20倍の範囲を一度に観測できる。」
■原始重力波をとらえる「グランドバード」。円盤状になっているところで回転する=茨城県つくば市大穂の高エネルギー加速器研究機構
朝日新聞デジタル
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