https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020010390011518.html
メスが、オスの継続的な求愛を受け入れて交尾に至る際の脳内の仕組みを、名古屋大の上川内あづさ教授(神経科学)と石元広志特任講師がショウジョウバエの実験で明らかにした。哺乳類の脳にも似た仕組みがあり、つがい形成の謎に迫る成果。2日付の米科学誌の電子版に発表する。
多くの生き物では、メスは好みでないオスの求愛は拒否する。また、好みのオスであっても初めは何度か拒み、求愛を繰り返されるうちにようやく交尾に応じる。ショウジョウバエでも、メスは交尾に至るまでにまずオスを拒み、受け入れるまでに約10分かかる。
上川内教授らは、メスのショウジョウバエが交尾する前の行動と、脳の神経細胞との関係について調べたところ、脳の中心部の「楕円体」という場所に、フェロモンなどオスの求愛情報を受ける2種類の神経細胞を発見。1つは、活性化するとオスを拒んで交尾しなくなる「拒否型」で、もう1つは拒否型を抑える「受容型」だと分かった。
また、オスに求愛され始めた時は拒否型がより強く活性化してメスは交尾を拒絶。しかし求愛が続くと、拒否型から徐々に刺激物質が出て受容型に伝わり、受容型自身が拒否型の活動を抑え、交尾することを突き止めた。
「メスがオスからの求愛をいったん拒んで慎重に相手を見定めるために、脳に備わっている仕組みだろう」と石元特任講師。哺乳類の脳にも楕円体によく似た構造があり、つがいの形成に関わることも分かっており「人を含めた哺乳類のつがい形成や生殖行動の解明につなげたい」と話した。
(中日新聞)
メスが、オスの継続的な求愛を受け入れて交尾に至る際の脳内の仕組みを、名古屋大の上川内あづさ教授(神経科学)と石元広志特任講師がショウジョウバエの実験で明らかにした。哺乳類の脳にも似た仕組みがあり、つがい形成の謎に迫る成果。2日付の米科学誌の電子版に発表する。
多くの生き物では、メスは好みでないオスの求愛は拒否する。また、好みのオスであっても初めは何度か拒み、求愛を繰り返されるうちにようやく交尾に応じる。ショウジョウバエでも、メスは交尾に至るまでにまずオスを拒み、受け入れるまでに約10分かかる。
上川内教授らは、メスのショウジョウバエが交尾する前の行動と、脳の神経細胞との関係について調べたところ、脳の中心部の「楕円体」という場所に、フェロモンなどオスの求愛情報を受ける2種類の神経細胞を発見。1つは、活性化するとオスを拒んで交尾しなくなる「拒否型」で、もう1つは拒否型を抑える「受容型」だと分かった。
また、オスに求愛され始めた時は拒否型がより強く活性化してメスは交尾を拒絶。しかし求愛が続くと、拒否型から徐々に刺激物質が出て受容型に伝わり、受容型自身が拒否型の活動を抑え、交尾することを突き止めた。
「メスがオスからの求愛をいったん拒んで慎重に相手を見定めるために、脳に備わっている仕組みだろう」と石元特任講師。哺乳類の脳にも楕円体によく似た構造があり、つがいの形成に関わることも分かっており「人を含めた哺乳類のつがい形成や生殖行動の解明につなげたい」と話した。
(中日新聞)