認知症の原因タンパク質に点鼻ワクチン 京大がマウスで抑制効果確認
2020.3.26 06:00
https://www.sankei.com/life/news/200326/lif2003260004-n1.html
産経新聞、THE SANKEI NEWS
https://www.sankei.com/
■■記事全文
アルツハイマー病などの認知症の原因とされる異常化したタンパク質「タウ」の蓄積を抑える点鼻ワクチンを開発したと、京都大iPS細胞研究所の井上治久(はるひさ)教授(神経科学)らの研究グループが25日、国際学術誌電子版に発表した。
マウスを使った実験では認知機能の改善などの治療効果が確認されており、実用化されれば、認知症予防につながると期待される。
認知症の多くは、脳内で異常化したタウなどのタンパク質が蓄積し、神経細胞を徐々に死滅させることが原因とされる。このうちタウを標的とした抗体医薬品やワクチンの研究が行われているが、費用や効果の持続期間の面で課題があった。
研究グループは、投与に痛みがなく、一度の投与でより長い効果期間が期待できる治療法の開発を目指し、異常化したタウを取り除く抗体を作るための点鼻ワクチンを作製した。
このワクチンを、認知症を発症するマウスに1週間おきに計3回投与して経過観察したところ、脳内でタウに対する抗体が増加したり、異常化したタウの蓄積が大幅に減ったりしたことが確認できたという。
また、行動試験ではワクチンの投与により認知機能の改善がみられた。
井上教授は「超高齢化に伴い増加が予想される認知症の制圧には、治療薬のほかワクチンの開発も必須。ワクチンで認知症を予防する社会を目指し、実用化への研究を進めたい」と話している。
2020.3.26 06:00
https://www.sankei.com/life/news/200326/lif2003260004-n1.html
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アルツハイマー病などの認知症の原因とされる異常化したタンパク質「タウ」の蓄積を抑える点鼻ワクチンを開発したと、京都大iPS細胞研究所の井上治久(はるひさ)教授(神経科学)らの研究グループが25日、国際学術誌電子版に発表した。
マウスを使った実験では認知機能の改善などの治療効果が確認されており、実用化されれば、認知症予防につながると期待される。
認知症の多くは、脳内で異常化したタウなどのタンパク質が蓄積し、神経細胞を徐々に死滅させることが原因とされる。このうちタウを標的とした抗体医薬品やワクチンの研究が行われているが、費用や効果の持続期間の面で課題があった。
研究グループは、投与に痛みがなく、一度の投与でより長い効果期間が期待できる治療法の開発を目指し、異常化したタウを取り除く抗体を作るための点鼻ワクチンを作製した。
このワクチンを、認知症を発症するマウスに1週間おきに計3回投与して経過観察したところ、脳内でタウに対する抗体が増加したり、異常化したタウの蓄積が大幅に減ったりしたことが確認できたという。
また、行動試験ではワクチンの投与により認知機能の改善がみられた。
井上教授は「超高齢化に伴い増加が予想される認知症の制圧には、治療薬のほかワクチンの開発も必須。ワクチンで認知症を予防する社会を目指し、実用化への研究を進めたい」と話している。