獣医学部新設 文書は共有フォルダーにも 調査は専門教育課だけ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170605/k10011007361000.html?utm_int=word_contents_list-items_001&word_result=%E7%8D%A3%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E9%83%A8%E6%96%B0%E8%A8%AD
6月5日 19時03分
「加計学園」が計画している獣医学部をめぐり、内閣府と文部科学省とのやり取りを記したとされる文書は、去年9月下旬、文部科学省内の個人のパソコンだけでなく、一時、共有フォルダーにも登録されていたと複数の現役職員が話していることがNHKの取材でわかりました。文部科学省は「文書は確認できなかった」としていますが、調査したのは獣医学部を管轄する専門教育課だけで、ほかの部署の共有フォルダーは調べていませんでした。
国家戦略特区により、学校法人「加計学園」が愛媛県今治市に新設を計画している獣医学部をめぐり、選考の途中で内閣府の幹部が文部科学省に対し「官邸の最高レベルが言っている」などと述べたと記された文書は、今も省内の個人のパソコンに保管されていることがNHKの取材で明らかになっています。
この文書は、去年9月28日の午前10時37分に獣医学部を管轄する専門教育課から、私学行政課など4つの部署の19人の職員にメールで送信されました。
文部科学省ではこの文書を含め一連の文書の内容を共有するため、専門教育課以外の部署の共有フォルダーにも一時、登録されていたと複数の現役職員が話していることがNHKの取材でわかりました。職員の1人は「当時共有フォルダーに文書があったので、同じ課であれば誰もが内容を確認できる状態だった」と証言しています。
文部科学省は一連の文書の存在について先月19日、「共有フォルダーなどを調べた結果、文書の存在は確認できなかった」と発表しましたが、調査したのは担当の専門教育課の共有フォルダーだけで、ほかの部署の共有フォルダーは調べていませんでした。
これについて、文部科学省は「文書が存在するとすれば、専門教育課が作成しているはずで、作成部局を調べれば十分だと考えている」と話しています。
専門家「『行政文書』に該当する可能性が高い」
この問題では、国家戦略特区による選考の過程で文部科学省と内閣府がやり取りしたとされる文書が、公文書や行政文書に当たるかどうかも議論となっています。
これについて、行政文書に詳しい東洋大学の早川和宏教授は「文書が複数の職員に送付されているならば、組織的なやり取りがあったと考えていいので、個人的なメモではなく『行政文書』に該当する可能性が非常に高い」としています。
そのうえで、「現在の法律は役所の人たちの判断で保存期間も決められるため、役所の都合で文書管理が可能となってしまう。政府は国民に対して説明をする責任があり、国民が納得できるような調査をすべきではないか」と指摘しました。
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6月5日 19時03分
「加計学園」が計画している獣医学部をめぐり、内閣府と文部科学省とのやり取りを記したとされる文書は、去年9月下旬、文部科学省内の個人のパソコンだけでなく、一時、共有フォルダーにも登録されていたと複数の現役職員が話していることがNHKの取材でわかりました。文部科学省は「文書は確認できなかった」としていますが、調査したのは獣医学部を管轄する専門教育課だけで、ほかの部署の共有フォルダーは調べていませんでした。
国家戦略特区により、学校法人「加計学園」が愛媛県今治市に新設を計画している獣医学部をめぐり、選考の途中で内閣府の幹部が文部科学省に対し「官邸の最高レベルが言っている」などと述べたと記された文書は、今も省内の個人のパソコンに保管されていることがNHKの取材で明らかになっています。
この文書は、去年9月28日の午前10時37分に獣医学部を管轄する専門教育課から、私学行政課など4つの部署の19人の職員にメールで送信されました。
文部科学省ではこの文書を含め一連の文書の内容を共有するため、専門教育課以外の部署の共有フォルダーにも一時、登録されていたと複数の現役職員が話していることがNHKの取材でわかりました。職員の1人は「当時共有フォルダーに文書があったので、同じ課であれば誰もが内容を確認できる状態だった」と証言しています。
文部科学省は一連の文書の存在について先月19日、「共有フォルダーなどを調べた結果、文書の存在は確認できなかった」と発表しましたが、調査したのは担当の専門教育課の共有フォルダーだけで、ほかの部署の共有フォルダーは調べていませんでした。
これについて、文部科学省は「文書が存在するとすれば、専門教育課が作成しているはずで、作成部局を調べれば十分だと考えている」と話しています。
専門家「『行政文書』に該当する可能性が高い」
この問題では、国家戦略特区による選考の過程で文部科学省と内閣府がやり取りしたとされる文書が、公文書や行政文書に当たるかどうかも議論となっています。
これについて、行政文書に詳しい東洋大学の早川和宏教授は「文書が複数の職員に送付されているならば、組織的なやり取りがあったと考えていいので、個人的なメモではなく『行政文書』に該当する可能性が非常に高い」としています。
そのうえで、「現在の法律は役所の人たちの判断で保存期間も決められるため、役所の都合で文書管理が可能となってしまう。政府は国民に対して説明をする責任があり、国民が納得できるような調査をすべきではないか」と指摘しました。