西松建設事件と酷似 加計から下村氏へ200万円献金の構図
2017年7月1日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/208610/1
下村博文元文科相の事務所が加計学園の当時の秘書室長から2013、14年に計200万円分をパーティー券代として受け取っていた問題は、政治資金規正法違反の疑いが濃厚になってきた。
加計学園はパー券を購入したとされる11の個人・企業について「学園と関係のある個人や企業」と説明。下村氏は11の個人・企業の名前を政治資金収支報告書に記載しなかったことについて、規正法で記載が義務付けられた「20万円」を超えていないとして、「法律上、問題ない」と主張しているが、トンデモない話だ。
元特捜検事の郷原信郎弁護士がこう言う。
「下村氏が加計学園に対しさまざまな便宜を図り得る立場にあった文科相在任中に、加計学園の秘書室長から計200万円の資金提供が行われた。そのこと自体が重大な疑惑ですが、今後、下村氏と加計学園は政治資金規正法違反に問われるかもしれません。もし加計学園の秘書室長が11の個人・企業から預かってきたお金を下村氏の事務所に持参したのだとすれば、秘書室長による“あっせん”にあたる可能性があります」
■「検察は直ちに捜査に着手すべき」
規正法の規定では、あっせん額が20万円を超える場合、あっせん者の名前や金額を政治資金収支報告書に記載しなければならない。しかし、下村氏の政治団体「博友会」の13、14年の収支報告書にはどちらも記載されていないとされる。
「今のところ、11の個人・企業の名前が明かされていませんが、仮に加計学園の役職員や工事受注者等から秘書室長がパーティー券代を集めたとすれば、政治資金規正法があっせんに対し制限を設けている『天引き』や『地位利用』にあたる可能性が出てきます」(郷原信郎氏)
今回の200万円授受問題は08年に捜査が始まった西松建設の違法献金事件に酷似しているという指摘もある。西松建設の社員らによる個人名義の政治献金が実質的に企業献金だったと認定され、政治資金規正法違反(虚偽記載)が確定した。
「政治資金規正法は『他人名義』の献金も禁止しています。加計学園の秘書室長が下村事務所に持ち込んだ200万円は本当に11の個人・企業が支出したのか、実質的な加計学園の企業献金だったのか、検察当局が調べればすぐに分かります。都議選が終わり次第、検察が直ちに捜査に着手すべき案件だと思います」(郷原信郎氏)
下村氏は情報流出者は事務所内部の人物の可能性が高いとし、偽計業務妨害の罪などで捜査当局に告訴するとしているが、その前に自分が捜査対象になりそうだ。