<都議会>「都政前進、約束なのに」公明、都民フと亀裂
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東京都の小池百合子知事が国政新党「希望の党」を設立、代表に就任したことで、都議会の勢力図が塗り替えられる可能性が出てきた。7月の都議選で協力した都民ファーストの会と公明党は、計78議席で都議会(定数127)の過半数を占めるが、公明は「都政を前に進めるという約束だった」と協力関係見直しも示唆。公明の23議席が離れれば知事提案の条例も可決が困難になり、今後の都政が混乱することも懸念される。【芳賀竜也、柳澤一男、円谷美晶】
公明の東村邦浩幹事長は、25日の小池氏の発表後、「都政を前に進めていくという約束だったが、知事に裏切られたという思いでいっぱいだ」と批判し、「(小池氏が特別顧問を務める)都民ファーストとの連携を解消するかどうかは党本部とよく相談したい」と述べた。
関係者によると、9月中旬になって公明内に「小池氏が若狭勝衆院議員らが中心となって作る新党の重要ポストに就く」とのうわさが広まった。公明は都民ファースト側に「何とか止められないのか」「もし止められないなら、公明は都議会では野党になる」などと迫ったという。
小池氏と亀裂が生じたことにより、公明は都議会でどのような姿勢を取るのか。
都議会内には、昨年末に決裂するまで長年連携していた自民党と、再び協力するのではとの見方もある。ただ、自民幹部は「公明は国政では自民、都政では都民ファーストと第1党とくっつく『ご都合主義』で、一貫性がない。昨年末以降の仕打ちは簡単には許せない」と敵意を隠さない。それでも自公が連携すれば、都議会では45議席を占めることになり、この幹部は「公明が26、27日の都議会定例会の代表、一般質問で小池氏に対してどんなスタンスを示すかを見極めたい」と公明の出方をうかがう。
一方の都民ファーストは、公明に秋波を送る。増子博樹幹事長は「都民ファーストと公明は、今回の定例会に共同で『子どもを受動喫煙から守る条例案』を提案している。一緒にやっていけるものだと思っている」と述べた。
定例会の開会中にもかかわらず、国政を舞台にした「小池劇場」が幕を開けたとも言える状況に、都幹部は「都議選の時のように、また東京都の公務より政務を優先することになるのだろう」と嘆いた。