https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171004-00000019-pseven-soci
安倍政権の支持率が凋落すると、石破茂・元幹事長を筆頭に自民党内で一斉に安倍晋三首相批判が高まり、彼らはメディアで持て囃された。だが、それで何が変わっただろうか──。
石破氏だけではない。自民党内には平沢勝栄氏、後藤田正純氏ら約40人が発起人となった反アベノミクス勉強会(「明日を創る会」)が旗揚げし、安倍政権を4年間外相として支えた岸田文雄・政調会長まで「首相はタカ派、私はリベラル。政治信条の違いがある」とはっきり距離を置く言い方をした。
ところが、解散の声とともにそんな批判は雲散霧消してしまった。政治ジャーナリスト・野上忠興氏がいう。
「彼らは安倍批判でいかにも“正義の味方”であるかのような顔をしているが、これまで安倍政治の暴走を許した彼ら反主流派議員たちの責任も重い。かつての自民党であれば、総理・総裁が独断で政治を進めようとすると、反主流派が激しく突き上げ、全会一致が原則の総務会で大暴れして法案審査を通さないといった専横を許さない党内のチェックシステムが働いていた。それが組織の活力にもなった。
しかし、石破氏をはじめとした現在の反主流派たちは“負け犬の遠吠え”のように不満を言うだけで安倍政治に行動でブレーキをかけようとはしなかった。安倍首相が次の総選挙の公約に掲げた教育無償化、憲法9条への自衛隊明記にしても、自民党の従来の政策とは違うが、それを止める動きは見られない」
その中には、野田聖子・総務相のように、無役のときは安倍批判で鳴らしながら、入閣した途端に「非常に苦しんでいるときに、いたずらに今いる(安倍)総裁を仲間が批判して政権を弱くするのは卑怯なことだ」と露骨な安倍擁護に“転向”した政治家もいる。
その石破、岸田、野田の各氏がポスト安倍の総理・総裁候補というのだから国民は政治に期待が持てるはずがない。
「国を託される政治家には信念がなければならない。石破さんは解散の大義を問題にしていたのだから、今こそ小池百合子・都知事のように反安倍で動くときなのに、動こうとしない。これでは政治家ではなく評論家。岸田さんはもともと安倍首相と政治の方向が違うのに、何も批判しなかったから4年間外務大臣を続けさせてもらった。その外交も外務省の役人のいいなり。政治家としての信念がなく、総理大臣にふさわしい器ではない」(外交評論家の天木直人・元駐レバノン大使)
これまで反主流派のホープだった小泉進次郎氏も「内閣改造・党人事で筆頭副幹事長に抜擢され、いまや“選挙の顔”として安倍首相に巧妙に取り込まれています。政権批判の牙を奪われてしまった」(野上氏)のである。
安倍政権の支持率が凋落すると、石破茂・元幹事長を筆頭に自民党内で一斉に安倍晋三首相批判が高まり、彼らはメディアで持て囃された。だが、それで何が変わっただろうか──。
石破氏だけではない。自民党内には平沢勝栄氏、後藤田正純氏ら約40人が発起人となった反アベノミクス勉強会(「明日を創る会」)が旗揚げし、安倍政権を4年間外相として支えた岸田文雄・政調会長まで「首相はタカ派、私はリベラル。政治信条の違いがある」とはっきり距離を置く言い方をした。
ところが、解散の声とともにそんな批判は雲散霧消してしまった。政治ジャーナリスト・野上忠興氏がいう。
「彼らは安倍批判でいかにも“正義の味方”であるかのような顔をしているが、これまで安倍政治の暴走を許した彼ら反主流派議員たちの責任も重い。かつての自民党であれば、総理・総裁が独断で政治を進めようとすると、反主流派が激しく突き上げ、全会一致が原則の総務会で大暴れして法案審査を通さないといった専横を許さない党内のチェックシステムが働いていた。それが組織の活力にもなった。
しかし、石破氏をはじめとした現在の反主流派たちは“負け犬の遠吠え”のように不満を言うだけで安倍政治に行動でブレーキをかけようとはしなかった。安倍首相が次の総選挙の公約に掲げた教育無償化、憲法9条への自衛隊明記にしても、自民党の従来の政策とは違うが、それを止める動きは見られない」
その中には、野田聖子・総務相のように、無役のときは安倍批判で鳴らしながら、入閣した途端に「非常に苦しんでいるときに、いたずらに今いる(安倍)総裁を仲間が批判して政権を弱くするのは卑怯なことだ」と露骨な安倍擁護に“転向”した政治家もいる。
その石破、岸田、野田の各氏がポスト安倍の総理・総裁候補というのだから国民は政治に期待が持てるはずがない。
「国を託される政治家には信念がなければならない。石破さんは解散の大義を問題にしていたのだから、今こそ小池百合子・都知事のように反安倍で動くときなのに、動こうとしない。これでは政治家ではなく評論家。岸田さんはもともと安倍首相と政治の方向が違うのに、何も批判しなかったから4年間外務大臣を続けさせてもらった。その外交も外務省の役人のいいなり。政治家としての信念がなく、総理大臣にふさわしい器ではない」(外交評論家の天木直人・元駐レバノン大使)
これまで反主流派のホープだった小泉進次郎氏も「内閣改造・党人事で筆頭副幹事長に抜擢され、いまや“選挙の顔”として安倍首相に巧妙に取り込まれています。政権批判の牙を奪われてしまった」(野上氏)のである。