「アメリカ殺しの超発想」(著・霍見芳浩・ニューヨーク市立大学教授) より以下引用↓
村山連立政権の成立によって、
一応民主化二年目の幕開けには欠かせなかった
小沢失脚が達成されたのだった。
小沢氏は海部氏を自民党から脱党させ、
中曽根康弘と渡辺美智雄の両氏を、
自民在籍のまま海部支持に引っ張り出した。
この結果、自民党から腐敗の巨悪二人と、
操り人形業界の一人が実質的に消えて、
自民党内部の大掃除が、また一段と進行した。(p.136)
ところで村山政権の成立に困惑しているのがクリントン政権だが、
これは社会党が政権の中枢に座ったせいではなかった。
自民党も社会党も、とっくの昔から政治イデオロギーはポーズだけのもので、
いわゆる五五年体制は、自社の馴れ合いだったことを承知している。
困ったのはこんどの政変で小沢一郎が失脚し、
八〇年代の自民党の中曽根政権から昨年来の細川、羽田の反自民連合まで、
一貫して小沢氏を通して日本にアメリカの要求を次々と飲ませてきた、
こんなに便利だった小沢レバーが使えなくなったことである。
八〇年代に始まり、歴代の駐日アメリカ大使は小沢氏という闇のチャンネルを使って、
通信、建設を筆頭に、日本市場をアメリカに無条件に譲渡させ、
湾岸戦争で一兆五〇〇〇億円もの金を拠出せしめた。
また、ペルシャ湾の掃海に日本の海上自衛隊を派遣したのに続いて、
PKO部隊の海外派兵を、国連の隠れ蓑を使い、
アメリカの思惑通りに小沢氏はしてのけた。
九四年に入ってからは包括協議での日本の全面譲歩、
そして北朝鮮の軍事や経済制裁に日本を駆り出すために、
アメリカは小沢氏に頼ってきた。(p.137-138)
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