学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の改ざん問題で、麻生太郎財務相が国会答弁で佐川宣寿前国税庁長官を「前長官」と肩書を付けて呼ぶようになった。これまでは佐川氏を呼び捨てにすることが多かったが、野党などから出ている批判に配慮したとみられる。
麻生氏は20日の参院予算委員会で、野党議員から9日に国税庁長官を辞任した佐川氏を懲戒処分にした理由を問われた際、「佐川前長官の関与の度合いが大きかったのではないか」「(国会で国有地売却が問題となった)当時の理財局長だったのは佐川前長官であります」などと答え、佐川氏を「前長官」と肩書を付けて呼んだ。20日午後の参院財政金融委員会でも「局長」などと肩書を付けたが、慣れていないのか呼び捨てにした場面もあった。
麻生氏は、財務省が改ざんを認めた12日に記者団の取材に応じた際には「佐川の答弁に合わせて書き換えたというのが事実」「最終責任者は(当時の)理財局長である佐川ということになると思う」と佐川氏を呼び捨てにしていた。また、その後の国会答弁でも呼び捨てにすることが多かった。財務省関係者によると、麻生氏は普段から部下を呼び捨てにすることが多いといい、辞職したとはいえかつての部下として呼び捨てにしていたとみられる。
だが、野党は「『佐川』『佐川』と呼び捨てにし、佐川さん一人を悪者にするかのような会見だ」(立憲民主党の福山哲郎幹事長)などと批判。インターネット上でも、「態度が尊大だ」などとの意見が出ていた。【井出晋平】
3/20(火) 18:45
毎日新聞
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