“全裸ピンポンダッシュ”騒動に揺れる宮腰光寛沖縄北方相が30日、騒動について「改めておわび申し上げたい」と謝罪した。
ところが、一部で報じられた「政治資金 使途不明金3000万円」については、「問題ない」の一点張り。全裸大臣は、このまま逃げるつもりだ。しかし、日刊ゲンダイの調べで、使途不明金は3000万円にとどまらず、6000万円にも上ることが分かった。
宮腰氏が代表を務める「政党支部」と「資金管理団体」から毎年、多額の寄付を受けている「宮腰光寛後援会」は、使途不明の支出が14〜16年に約3384万円に上ることが分かっている。共同通信がスクープしている。改めて日刊ゲンダイは、後援会の11〜13年分の政治資金収支報告書をチェック。新たに約2690万円が使途不明状態になっていることが明らかになった。不透明な政治資金の使い方は、常態化しているということだ。
国会議員が代表を務める「政党支部」と「資金管理団体」は、あらゆる支出について詳細を収支報告書に記載することを義務づけられている。しかし、国会議員以外が代表を務める「後援会」は、1件5万円以上の「政治活動費」以外の支出については報告義務がない。宮腰氏の「後援会」は詳細な記載義務のない政治団体に当たる。
つまり、宮腰事務所は記載義務が厳格な「政党支部」や「資金管理団体」から、記載義務が緩い「後援会」にカネを移しているということ。政党支部と資金管理団体からは、11年からの6年間で計7622万円が後援会に寄付されている。うち約8割が使途不明状態になっている格好だ。
なぜ、わざわざ記載義務が緩い「後援会」にカネを移したのか。不都合なカネを“隠蔽”するためだったのではないか。
宮腰事務所に問い合わせると「すでに記者会見等で説明した通り、法令に従い適正に処理報告しているところです」と回答した。宮腰氏はこれまで、「(使途の詳細がないのは)法的義務がないためで、やましい支出はない」などと説明。領収書の公表については「適正に処理していることで理解いただきたい」と拒否している。
政治資金に詳しい神戸学院大教授・上脇博之氏はこう言う。
「後援会に寄付を拠出している支部と資金管理団体は、会計責任者、事務担当者が交代する前後で同様の支出をしている。つまり、不自然な資金移動を主導してきたのは、会計責任者や事務担当者でなく、代表者の宮腰大臣自身ではないか。詳細な収支報告逃れのための資金移動なら、政治資金規正法の趣旨に反します。宮腰事務所は領収書などの明細を公表し、説明責任を果たすべきです」
衣服を脱いで全裸になる前に、政治資金の使途こそ“丸裸”にすべきだ。
日刊ゲンダイ
2018/10/31 15:00
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240669/