■「片山さつき」と「産業廃棄物」
片山さつき地方創生大臣(59)の後援会「山桜会(さんおうかい)」が設立されたのは、2013年。会のトップである中村望会長は、立体駐車場経営を行う『ダイヤパーク』のオーナーであるとともに、過去に暴力団と組み産業廃棄物処分場を乗っ取ったいわくつきの人物だ。結果、産廃処分場周辺の環境は悪化し、廃棄物処理法違反で逮捕者が出る事態となった。
ヤクザ「密接交際者」とも言える中村会長と片山大臣の間には、もっと別の問題も存在しているのである。
永田町関係者によれば、
「中村会長が経営する立体駐車場の会社は、盛岡、東京、大阪に支店があります。実は、そのうちの大阪支店の部屋の一部を片山さんに提供し、関西を担当する40代の女性秘書の足場にしているのです。その秘書が片山事務所入りしたのは、3年ほど前。もともとは、人材派遣会社に勤めていたのですが、片山さんの当時の政策秘書にスカウトされたそうです」
参議院全国比例選出の議員である片山大臣は、日本全国に後援会事務所を置くことを目標にしているという。例えば、名古屋では、「片山さつき名古屋後援会」の会長が経営する住宅販売会社に置かれ、そこの副社長が事務局長を兼ねている。
「ですが、大阪の場合は、中村会長のところの従業員がボランティアとして手伝っているわけではなく、片山さんの秘書が詰めているのです。その秘書は、関西の支援者まわりをして、ポスターを貼らせてもらったり、パーティ券を買ってもらう活動をしている。ところが、片山さんのどの収支報告書を見ても、中村会長の会社に家賃を支払っている記載がない。そのうえ、その秘書の給与も中村会長に肩代わりさせているのではないかという疑惑があるのです」(同)
公設秘書は国から給与が支払われるが、私設秘書は国会議員が払う。大抵、その分は、国会議員の政治団体や政党支部に人件費として計上されている。片山大臣の政治資金収支報告書(16年分)を見てみると、「山桜会」、政治団体「片山さつき後援会」ともに人件費はゼロ。一方、彼女が代表の政党支部「自由民主党東京都参議院比例区第25支部」は、約620万円だった。
前出の永田町関係者が続ける。
「約620万円ならば、1人か2人分ほどの秘書給与に過ぎません。ですが、片山さんは永田町の議員会館だけで、少なくとも3人の私設秘書を置いている。となると、関西担当の秘書の給与はどうなっているのかと疑問が湧くのも当然のことではないでしょうか」(同)
■後ろめたかった!?
要するに、片山大臣に持ち上がったのは、二つのヤミ献金疑惑。山桜会会長から、関西担当秘書のための事務所を無償提供されているのではないかということと、その秘書の給与を肩代わりしてもらっているのではないかということである。
政治資金問題に詳しい、神戸学院大の上脇博之教授に聞くと、
「問題になっている秘書がいる場所が単なる連絡先ではなく、パーティ券を売ったり、郵便物の受け取り場所になるなど資金管理団体の事務所として機能し、そのうえで、その収支報告書に家賃が計上されていないのなら政治資金規正法違反です。また、疑惑を生む事務所で働く秘書の給与についても、当然、片山大臣には説明責任があると言わざるを得ません」
そこで、関西担当の女性秘書を直撃したものの、
「迷惑です」
というのみ。
しかし、やはり後ろめたい気持ちがあったのか、直撃前まで大阪支店のドアと郵便受けに貼られていた「片山さつき後援会事務所」のシールが翌朝には剥がされていたのだ。秘書から報告を受けた片山大臣がすぐさま隠蔽を指示でもしたのか。罪の意識ありと受け取られても仕方あるまい。
そして、中村会長は一切、取材拒否で逃げ惑うばかり。
では、片山大臣はどう答えるか。
「(大阪支店は)郵便物のみ受け取っていただいている単なる連絡先です。関西担当の秘書はボランティアで活動して頂いているため、給与は生じておりません」
もはや、片山大臣自身が「在庫一掃内閣」の「産業廃棄物」になってしまったかのようである。
デイリー新潮
週刊新潮 2018年11月22日号掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/11270800/?all=1
片山さつき地方創生大臣(59)の後援会「山桜会(さんおうかい)」が設立されたのは、2013年。会のトップである中村望会長は、立体駐車場経営を行う『ダイヤパーク』のオーナーであるとともに、過去に暴力団と組み産業廃棄物処分場を乗っ取ったいわくつきの人物だ。結果、産廃処分場周辺の環境は悪化し、廃棄物処理法違反で逮捕者が出る事態となった。
ヤクザ「密接交際者」とも言える中村会長と片山大臣の間には、もっと別の問題も存在しているのである。
永田町関係者によれば、
「中村会長が経営する立体駐車場の会社は、盛岡、東京、大阪に支店があります。実は、そのうちの大阪支店の部屋の一部を片山さんに提供し、関西を担当する40代の女性秘書の足場にしているのです。その秘書が片山事務所入りしたのは、3年ほど前。もともとは、人材派遣会社に勤めていたのですが、片山さんの当時の政策秘書にスカウトされたそうです」
参議院全国比例選出の議員である片山大臣は、日本全国に後援会事務所を置くことを目標にしているという。例えば、名古屋では、「片山さつき名古屋後援会」の会長が経営する住宅販売会社に置かれ、そこの副社長が事務局長を兼ねている。
「ですが、大阪の場合は、中村会長のところの従業員がボランティアとして手伝っているわけではなく、片山さんの秘書が詰めているのです。その秘書は、関西の支援者まわりをして、ポスターを貼らせてもらったり、パーティ券を買ってもらう活動をしている。ところが、片山さんのどの収支報告書を見ても、中村会長の会社に家賃を支払っている記載がない。そのうえ、その秘書の給与も中村会長に肩代わりさせているのではないかという疑惑があるのです」(同)
公設秘書は国から給与が支払われるが、私設秘書は国会議員が払う。大抵、その分は、国会議員の政治団体や政党支部に人件費として計上されている。片山大臣の政治資金収支報告書(16年分)を見てみると、「山桜会」、政治団体「片山さつき後援会」ともに人件費はゼロ。一方、彼女が代表の政党支部「自由民主党東京都参議院比例区第25支部」は、約620万円だった。
前出の永田町関係者が続ける。
「約620万円ならば、1人か2人分ほどの秘書給与に過ぎません。ですが、片山さんは永田町の議員会館だけで、少なくとも3人の私設秘書を置いている。となると、関西担当の秘書の給与はどうなっているのかと疑問が湧くのも当然のことではないでしょうか」(同)
■後ろめたかった!?
要するに、片山大臣に持ち上がったのは、二つのヤミ献金疑惑。山桜会会長から、関西担当秘書のための事務所を無償提供されているのではないかということと、その秘書の給与を肩代わりしてもらっているのではないかということである。
政治資金問題に詳しい、神戸学院大の上脇博之教授に聞くと、
「問題になっている秘書がいる場所が単なる連絡先ではなく、パーティ券を売ったり、郵便物の受け取り場所になるなど資金管理団体の事務所として機能し、そのうえで、その収支報告書に家賃が計上されていないのなら政治資金規正法違反です。また、疑惑を生む事務所で働く秘書の給与についても、当然、片山大臣には説明責任があると言わざるを得ません」
そこで、関西担当の女性秘書を直撃したものの、
「迷惑です」
というのみ。
しかし、やはり後ろめたい気持ちがあったのか、直撃前まで大阪支店のドアと郵便受けに貼られていた「片山さつき後援会事務所」のシールが翌朝には剥がされていたのだ。秘書から報告を受けた片山大臣がすぐさま隠蔽を指示でもしたのか。罪の意識ありと受け取られても仕方あるまい。
そして、中村会長は一切、取材拒否で逃げ惑うばかり。
では、片山大臣はどう答えるか。
「(大阪支店は)郵便物のみ受け取っていただいている単なる連絡先です。関西担当の秘書はボランティアで活動して頂いているため、給与は生じておりません」
もはや、片山大臣自身が「在庫一掃内閣」の「産業廃棄物」になってしまったかのようである。
デイリー新潮
週刊新潮 2018年11月22日号掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/11270800/?all=1