6日、衆院本会議で成立した改正水道法。野党は「審議不十分」と反発したが、与党は5日の衆院厚生労働委で審議なしで採決を強行。これから国民の“命の水”が国内外の民間業者にバンバン売られかねない。とりわけ、水ビジネスを世界展開する“水メジャー”にとって、未開拓の日本市場は「垂涎の的」。外資による水支配のレールを敷いたのは、菅官房長官の“懐刀”で補佐官だった福田隆之氏だ。
■“水メジャー”からアゴ足付き接待
福田氏は2016年1月、民間から菅の補佐官に抜擢された。民間資金の活用による公共施設の整備運営(PFI)のスペシャリストとして公共サービス改革を担当したが、先月、突然辞任。「臨時国会直前から福田氏がPFIを巡ってリベートを要求していたという“怪文書”が永田町に出回り、慌てた官邸がクビを切ったのではないか」(永田町関係者)とささやかれている。
福田氏に関する疑惑は水道法審議でも取り上げられた。きのうの衆院本会議では、立憲民主党の初鹿明博議員が、次のように反対の演説をした。
「官房長官の補佐官がフランス出張の際には『ヴェオリア社』の副社長と食事を共にし、水メジャー『スエズ社』から移動のための車を提供してもらうなど、利益相反が疑われる事態も明らかになっています。水メジャーがこのような便宜供与を行う理由は法改正が行われれば、一定の利益を得ることができると考えているからこそで、今、国と契約関係にないから利益相反に当たらないとはとても言えない」
「ヴェオリア」も「スエズ」もフランスの水メジャーだ。福田氏のおかげかどうかは不明だが、すでに日本の市場に食い込んでいる。ヴェオリアは、今年4月から静岡県浜松市で下水道の運営を開始。スエズは先月7日、前田建設と日本の上下水道で業務提携する覚書を結んだ。
加えて、“怪文書”には昨年6月に福田氏が欧州に出張した際の旅程が書かれているが、これまた福田氏と水メジャーの“癒着”をにおわすような中身なのだ。
「9日間もの長期日程で、パリ↓ボルドー↓バルセロナ↓カンヌ↓ロンドンと回っています。ロンドンとパリ以外の各地で水処理施設を視察したようですが、どれも有名な観光地ばかり。事実なら遊び半分と見られても仕方ない。パリで宿泊した夜に、ヴェオリアから接待を受けたともいわれています。福田氏は補佐官に就任してから3回、フランスに出張していますが、水道局を視察せずにヴェオリアと頻繁に会っています。官邸の水道民営化推進は水メジャーと組んだ“出来レース”ではないか」(野党関係者)
もし疑惑が本当なら、福田氏は利害関係者から「アゴ足」付きの接待を受けていたことになる。真偽を確かめるため福田氏の携帯を数回にわたって鳴らしたが、ついに電話に出ることはなかった。
ヴェオリアを巡っては、日本法人の社員が、水道などの民営化を手掛ける内閣府の「民間資金等活用事業推進室」に出向していることが分かっている。福田氏と外資との“癒着”疑惑も合わせて考えると、官邸と水メジャーはズブズブの“共犯関係”である可能性が高い。
こうして、売国政権に日本が潰されていく。
日刊ゲンダイ
2018/12/08
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/243249/
■“水メジャー”からアゴ足付き接待
福田氏は2016年1月、民間から菅の補佐官に抜擢された。民間資金の活用による公共施設の整備運営(PFI)のスペシャリストとして公共サービス改革を担当したが、先月、突然辞任。「臨時国会直前から福田氏がPFIを巡ってリベートを要求していたという“怪文書”が永田町に出回り、慌てた官邸がクビを切ったのではないか」(永田町関係者)とささやかれている。
福田氏に関する疑惑は水道法審議でも取り上げられた。きのうの衆院本会議では、立憲民主党の初鹿明博議員が、次のように反対の演説をした。
「官房長官の補佐官がフランス出張の際には『ヴェオリア社』の副社長と食事を共にし、水メジャー『スエズ社』から移動のための車を提供してもらうなど、利益相反が疑われる事態も明らかになっています。水メジャーがこのような便宜供与を行う理由は法改正が行われれば、一定の利益を得ることができると考えているからこそで、今、国と契約関係にないから利益相反に当たらないとはとても言えない」
「ヴェオリア」も「スエズ」もフランスの水メジャーだ。福田氏のおかげかどうかは不明だが、すでに日本の市場に食い込んでいる。ヴェオリアは、今年4月から静岡県浜松市で下水道の運営を開始。スエズは先月7日、前田建設と日本の上下水道で業務提携する覚書を結んだ。
加えて、“怪文書”には昨年6月に福田氏が欧州に出張した際の旅程が書かれているが、これまた福田氏と水メジャーの“癒着”をにおわすような中身なのだ。
「9日間もの長期日程で、パリ↓ボルドー↓バルセロナ↓カンヌ↓ロンドンと回っています。ロンドンとパリ以外の各地で水処理施設を視察したようですが、どれも有名な観光地ばかり。事実なら遊び半分と見られても仕方ない。パリで宿泊した夜に、ヴェオリアから接待を受けたともいわれています。福田氏は補佐官に就任してから3回、フランスに出張していますが、水道局を視察せずにヴェオリアと頻繁に会っています。官邸の水道民営化推進は水メジャーと組んだ“出来レース”ではないか」(野党関係者)
もし疑惑が本当なら、福田氏は利害関係者から「アゴ足」付きの接待を受けていたことになる。真偽を確かめるため福田氏の携帯を数回にわたって鳴らしたが、ついに電話に出ることはなかった。
ヴェオリアを巡っては、日本法人の社員が、水道などの民営化を手掛ける内閣府の「民間資金等活用事業推進室」に出向していることが分かっている。福田氏と外資との“癒着”疑惑も合わせて考えると、官邸と水メジャーはズブズブの“共犯関係”である可能性が高い。
こうして、売国政権に日本が潰されていく。
日刊ゲンダイ
2018/12/08
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/243249/