「JOCでは第三者による外部の弁護士、公認会計士による調査チームを設置し(略)綿密なヒアリング調査を行いました。報告書はブラックタイディングス社とのコンサルタント契約は適正な承認手続きを経て締結されたものと確認しています」
わずか7分間の“逃げ恥会見”を開いたJOCの竹田恒和会長が潔白理由に掲げたのが2016年8月の第三者委の報告書だった。だが、この報告書は、企業法務に詳しい弁護士らでつくる「第三者委員会報告書格付け委員会」が17年2月28日付で公表した総合評価で、8人の委員のうち2人が最低の「不合格」、6人が次に評価が低い判定を下した内容だ。
竹田会長は、そんな“ニセ手形”を水戸黄門の印籠のようにしているワケだが、ダメ出しの評価書に重大な関心を寄せているのが仏の予審判事だという。
「評価書では『ソルトレイクシティー冬期(季)オリンピックやシドニー五輪でも同様の利益供与が報道された。今回の東京五輪でも同じ事が起きた可能性が高い』『ブラックタイディングス社が個人なのか株式会社なのかは不明だし、会社だとしても貸借対照表も損益計算書も明らかでない』などと指摘されています。つまり、当時の招致委が何を隠していたのか、隠そうとしていたのかが一発で分かる。裏返せば、予審判事は竹田会長に対して、明らかになっていない部分の説明をさせればいい。予審判事が評価書に注目するのは当然でしょう」(司法記者)
竹田会長への包囲網は、刻々と狭まっている。
日刊ゲンダイ
2019/01/17
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