今年10月の消費税増税の経済対策の柱となるキャッシュレス決済時のポイント還元制度について、世耕弘成経済産業相は5日の衆院予算委員会で、「予定より早く予算が尽きる見込みになった時は、財政当局とよく相談して対応を検討する」と述べた。利用が想定を上回り予算が不足した場合、追加で予算要求する可能性を示唆した形で、費用が膨張する恐れがある。国民民主党の階猛氏への答弁。
ポイント還元制度は、中小の小売りや飲食店などでクレジットカードなど現金を使わない手段で決済した場合に、決済額の最大5%を国が消費者にポイントで還元する仕組み。政府は2019年度予算案に必要経費として2798億円を計上し、中小店舗への決済端末の導入費用などを除く約1600億円を消費者への還元に充てる。制度の実施期間は来年10月から9カ月間で、20年度も1000億円強の予算を計上する方針だ。
◇エコノミスト「予算額、数兆円規模も」
麻生太郎財務相は1月下旬の閣議後記者会見で予算計上額について「足りなくなることを想定しているわけでは全くない」との考えを示している。ただ、今回の制度は個人の消費者だけでなく法人も利用できる。商品を購入するのが個人か法人か決済時に区別するのが難しいためで、「企業が備品を大量購入すれば(必要な予算額が)数兆円規模に膨らむ可能性がある」(エコノミスト)との懸念が出ている。
これに対し、制度設計を担当する経産省は「今回の制度でキャッシュレス決済比率が大きく伸びるとは想定しておらず、企業間取引での利用が急増するとも思えない」として予算不足に陥る可能性は低いとみるが、個人・法人ともどこまで利用が広がるかは読み切れない状況だ。
ソフトバンク系のQRコード決済会社ペイペイが昨年12月に実施した100億円還元キャンペーンは、還元率を20%と高く設定したこともあり、利用者が殺到。高額商品の購入も相次いだため、4カ月分と見込んでいた還元費用が10日で尽きた。階氏はこの例を引き合いに出して「(利用が)上振れしたら、途中でやめるのか」と追及した。
政府内には「企業のコスト削減に使われる還元費用を予算に追加計上するのは国民の理解を得られない」(財務省幹部)と否定的な見方もあるが、「『お金がなくなったから終了』では済まされない」(経済官庁幹部)との声も出ている。【大久保渉、清水憲司】
毎日新聞
2/5(火) 20:51配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190205-00000081-mai-bus_all
ポイント還元制度は、中小の小売りや飲食店などでクレジットカードなど現金を使わない手段で決済した場合に、決済額の最大5%を国が消費者にポイントで還元する仕組み。政府は2019年度予算案に必要経費として2798億円を計上し、中小店舗への決済端末の導入費用などを除く約1600億円を消費者への還元に充てる。制度の実施期間は来年10月から9カ月間で、20年度も1000億円強の予算を計上する方針だ。
◇エコノミスト「予算額、数兆円規模も」
麻生太郎財務相は1月下旬の閣議後記者会見で予算計上額について「足りなくなることを想定しているわけでは全くない」との考えを示している。ただ、今回の制度は個人の消費者だけでなく法人も利用できる。商品を購入するのが個人か法人か決済時に区別するのが難しいためで、「企業が備品を大量購入すれば(必要な予算額が)数兆円規模に膨らむ可能性がある」(エコノミスト)との懸念が出ている。
これに対し、制度設計を担当する経産省は「今回の制度でキャッシュレス決済比率が大きく伸びるとは想定しておらず、企業間取引での利用が急増するとも思えない」として予算不足に陥る可能性は低いとみるが、個人・法人ともどこまで利用が広がるかは読み切れない状況だ。
ソフトバンク系のQRコード決済会社ペイペイが昨年12月に実施した100億円還元キャンペーンは、還元率を20%と高く設定したこともあり、利用者が殺到。高額商品の購入も相次いだため、4カ月分と見込んでいた還元費用が10日で尽きた。階氏はこの例を引き合いに出して「(利用が)上振れしたら、途中でやめるのか」と追及した。
政府内には「企業のコスト削減に使われる還元費用を予算に追加計上するのは国民の理解を得られない」(財務省幹部)と否定的な見方もあるが、「『お金がなくなったから終了』では済まされない」(経済官庁幹部)との声も出ている。【大久保渉、清水憲司】
毎日新聞
2/5(火) 20:51配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190205-00000081-mai-bus_all