今回の参院選で比例代表から出馬している自民党の和田政宗氏。6月下旬には「週刊文春」(文藝春秋)が、和田氏が公職選挙法で禁じられている「公示前の事前選挙運動」をおこなっていたと報道、Web上で録音された音声データも公開したが、本人が「切り貼りされたもの」「名誉棄損にあたるものについては対抗措置を取ります」と主張すると、対する「週刊文春」はノーカット録音を公開し、疑惑はより深まる結果となったことは記憶に新しい。
報道に訴訟をちらつかせて言論弾圧をはかろうとは国会議員としてあるまじき言動だが、そんな和田氏の選挙戦に、なんとあの人が援軍として登場した。安倍昭恵氏だ。
三連休の最終日となった7月15日の夜、「和田政宗候補を応援する会」という個人演説会が東京都内で開かれたのだが、そこに昭恵氏が登場したのだ。
まず、挨拶に立った昭恵氏は、こう述べた。
「今回の選挙、安倍政権にとりましては本当に正念場の、大切な大切な選挙でございます。そのなかで和田政宗先生には、なんとしても勝っていただきたい。きょうはしっかりと昭恵が応援して来るるように、ということを言われて参りました」
いまだ森友学園問題について国民の前で何の説明もおこなっていないというのに、選挙の応援には、夫である安倍首相直々に「しっかり応援してこい」と背中を押されてノコノコやってくるとは……。まったく呆れるしかないが、さらに呆気にとられたのは、昭恵氏の口から語られた次の言葉だ。
「和田先生には、安倍政権が叩かれ、そして私が叩かれているなかで、表立って、ほんっとうに助けていただきました。応援をしていただきました。連日、私は、まるで犯罪者かのように、メディアから追いかけられて、あることないこと書き立てられてですね、辛い日々を送っていたんですけれども、そんななかでしっかりと応援をしていただいた。正しいことをちゃんと発言をしていただいた」
えっ、よりにもよって和田氏が、森友問題で「正しいことをちゃんと発言してくれた」ですと……!?
昭恵氏がそこまで言うならあらためて振り返ってみたいが、和田氏といえば昨年3月、朝日新聞が森友学園の決裁文書が改ざんされていたことをスクープすると、「全く別の決裁文書の調書を比較した可能性がある」などと誤報扱い。ところが、財務省が公文書改ざんの事実を認める方針を打ち出すや否や〈今回は財務省による証拠隠しを、政治の力で防いだことになります〉などと理解不能なことをほざきはじめ、ワイドショーに出演すると「(昭恵氏が)関わってなくても(国有地売買は)あった」「そもそもの問題は近畿財務局が相当悪い」と責任を近畿財務局に押し付けたのだった。
だが、もっとも醜悪だったのは、伝説的なトンデモ質疑として多くの人の度肝を抜いた、昨年3月19日に参院予算委員会でおこなわれた森友公文書改ざん問題の集中審議での和田氏の発言だ。和田氏は質問に立つと、財務省の太田充理財局長(当時)に対し、こんなことを言い出したのだった。
「まさかとは思いますけども、太田理財局長は民主党政権時代の野田総理の秘書官も務めておりまして、増税派だから、アベノミクスをつぶすために、安倍政権を貶めるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないですか?」
すさまじい陰謀脳としか言いようがないが、これにはさすがの太田理財局長も血相を変えて反論。首を横に大きく振りながら「いくらなんでも、そんなつもりはまったくありません! それはいくらなんでも……それはいくらなんでも、ご容赦ください!」と抗弁したほどだった。
2につづく
LITERA
2019.07.17 07:43
https://lite-ra.com/2019/07/post-4845.html
報道に訴訟をちらつかせて言論弾圧をはかろうとは国会議員としてあるまじき言動だが、そんな和田氏の選挙戦に、なんとあの人が援軍として登場した。安倍昭恵氏だ。
三連休の最終日となった7月15日の夜、「和田政宗候補を応援する会」という個人演説会が東京都内で開かれたのだが、そこに昭恵氏が登場したのだ。
まず、挨拶に立った昭恵氏は、こう述べた。
「今回の選挙、安倍政権にとりましては本当に正念場の、大切な大切な選挙でございます。そのなかで和田政宗先生には、なんとしても勝っていただきたい。きょうはしっかりと昭恵が応援して来るるように、ということを言われて参りました」
いまだ森友学園問題について国民の前で何の説明もおこなっていないというのに、選挙の応援には、夫である安倍首相直々に「しっかり応援してこい」と背中を押されてノコノコやってくるとは……。まったく呆れるしかないが、さらに呆気にとられたのは、昭恵氏の口から語られた次の言葉だ。
「和田先生には、安倍政権が叩かれ、そして私が叩かれているなかで、表立って、ほんっとうに助けていただきました。応援をしていただきました。連日、私は、まるで犯罪者かのように、メディアから追いかけられて、あることないこと書き立てられてですね、辛い日々を送っていたんですけれども、そんななかでしっかりと応援をしていただいた。正しいことをちゃんと発言をしていただいた」
えっ、よりにもよって和田氏が、森友問題で「正しいことをちゃんと発言してくれた」ですと……!?
昭恵氏がそこまで言うならあらためて振り返ってみたいが、和田氏といえば昨年3月、朝日新聞が森友学園の決裁文書が改ざんされていたことをスクープすると、「全く別の決裁文書の調書を比較した可能性がある」などと誤報扱い。ところが、財務省が公文書改ざんの事実を認める方針を打ち出すや否や〈今回は財務省による証拠隠しを、政治の力で防いだことになります〉などと理解不能なことをほざきはじめ、ワイドショーに出演すると「(昭恵氏が)関わってなくても(国有地売買は)あった」「そもそもの問題は近畿財務局が相当悪い」と責任を近畿財務局に押し付けたのだった。
だが、もっとも醜悪だったのは、伝説的なトンデモ質疑として多くの人の度肝を抜いた、昨年3月19日に参院予算委員会でおこなわれた森友公文書改ざん問題の集中審議での和田氏の発言だ。和田氏は質問に立つと、財務省の太田充理財局長(当時)に対し、こんなことを言い出したのだった。
「まさかとは思いますけども、太田理財局長は民主党政権時代の野田総理の秘書官も務めておりまして、増税派だから、アベノミクスをつぶすために、安倍政権を貶めるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないですか?」
すさまじい陰謀脳としか言いようがないが、これにはさすがの太田理財局長も血相を変えて反論。首を横に大きく振りながら「いくらなんでも、そんなつもりはまったくありません! それはいくらなんでも……それはいくらなんでも、ご容赦ください!」と抗弁したほどだった。
2につづく
LITERA
2019.07.17 07:43
https://lite-ra.com/2019/07/post-4845.html