「日本学術会議」の会員人事をめぐり、菅総理大臣が9日、任命されなかった会員候補6人を含む105人の推薦者リストを「見ていない」と説明したことについて、任命されなかった1人で早稲田大学の岡田正則教授は「リストを『見ていない』ということは、学術会議からの推薦リストに基づかずに任命したということで、明らかに法律の規定に反する行為です」と述べました。
菅総理大臣は9日、内閣記者会のインタビューで、今回の「日本学術会議」の会員の任命はみずから判断したとしたうえで、先月28日の決裁直前には、任命する99人のリストを見ており、任命されなかった会員候補6人を含む105人の会議側の推薦者リストは「見ていない」と説明しました。
これについて任命されなかった1人で早稲田大学の岡田正則教授がNHKにメールで見解を寄せ、「推薦段階の105人の名簿を『見ていない』ということは、学術会議からの推薦リストに基づかずに任命したということです。これは明らかに、日本学術会議法の『推薦に基づいて内閣総理大臣が任命する』という規定に反する行為です」と述べました。
そして「6人の名前を見ることなく決裁したということは、学術会議からの6人の推薦が任命権者に到達していないのですから任命拒否はありえないし、なしえないことです。任命権を有する内閣総理大臣に推薦リストが到着する前に何者かが名前を105人から99人に削除したということであれば、総理大臣の任命権や学術会議の選考権に対する重大な侵害です」と述べ即座に是正するよう求めています。
NHKニュース
2020年10月10日 16時24分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201010/k10012657631000.html