自民党大阪府連は12日、役員会を開き、大阪都構想の根拠法になった大都市地域特別区設置法(大都市法)の効力を一時停止させる新法案を2021年の通常国会に提出する方向で党内や他党と調整すると決めた。衆院議員の左藤章・政調会長は、都構想実現のために15、20年と5年間で2度の住民投票が実施されたことについて取材に「市民が分断された」と語った。
同じテーマで何度でも住民投票を繰り返せる「勝つまでじゃんけん」を問題視した府連は11月以降、国会議員や大阪市議が同法の問題点を話し合う勉強会を国会内で重ねてきた。この日の府連役員会で府議、市議の意見を踏まえ、新法制定に向け動き出すと決定。法案が可決されれば、新法の効力をさらに打ち消す法案が制定されない限り、大都市法に基づいて特別区を設置できなくなるという。
左藤政調会長は会合終了後、毎日新聞などの取材に「都構想では『1回きり』という約束が破られ、多くの血税や役所職員の労力が住民投票に費やされた。社会常識が通じないのなら、法で規制するしかない」と話した。
都構想は、地域政党「大阪維新の会」が10年の結党時から掲げてきた。11月1日にあった2度目の住民投票で再び否決され、同月21日に党代表に就任した吉村洋文・府知事は「僕が政治家として都構想に再挑戦することはない」と明言。前代表の松井一郎・大阪市長も今期限りでの政界引退を表明しているが、党内には3度目の住民投票を望む声もある。【石川将来】
毎日新聞
2020年12月12日 19時19分
https://mainichi.jp/articles/20201212/k00/00m/040/184000c