東京オリンピックに出場するために来日する選手団について、成田空港では、新型コロナウイルスの検査結果が出る前に入国手続きを行う措置が始まりました。
選手団の待ち時間を短縮させたいとしていますが、専門家は一般の利用者と接触しないよう徹底した感染対策が必要だと指摘しています。
東京オリンピックに向けて各国の選手団の来日が相次ぐ中、成田空港ではウイルス検査や入国手続きがすべて終わるまでに5時間近くかかることもあり、大会組織委員会などは選手団の待ち時間を短縮するため、検査結果が出る前に入国手続きを行う措置を始めました。
これまで選手たちは検査結果を確認してから入国手続きを行っていましたが、今後は結果が出る前に入国手続きを済ませ、空港内の待機場所に移動して結果の通知を待つということです。
その際、選手たちは空港内のロビーを移動するため、大会組織委員会のスタッフが一般の利用者と接触しないように誘導し、感染対策を図るということです。
水際対策に詳しい国際医療福祉大学の和田耕治教授は「検査結果が出る前になるので、感染しているかどうかリスクが完全にないわけではないので、一般の利用者と動線を明確に分けて、速やかに移動させる対策が必要だ」と指摘しています。
【一般客と接触なくす「バブル方式」空港での徹底に課題】
成田空港では、東京オリンピックで来日する選手団や大会関係者の感染対策として、一般の乗客との接触をなくす「バブル方式」がとられています。
ただ、空港内で取材を進めると、この「バブル方式」を徹底することは簡単ではないことが見えてきました。
今月5日、アフガニスタンの選手団や大会関係者が到着した際、航空機から先に一般の乗客全員を降ろし、その後、選手たちが出てくる予定でした。
ところが、大会関係者2人の姿が見当たらなくなり、大会組織委員会のスタッフがどこに行ったのかさがす想定外の事態が起きました。
間もなく2人は、先に航空機から降りた一般の乗客の列にまぎれ込んでいたことがわかりました。
スタッフは、速やかに2人を一般の乗客の列から引き離し、選手たちと同じウイルス検査や入国手続きに案内していました。
スタッフは案内板を手に持って選手たちを誘導していましたが、大会関係者2人が一般の乗客と一緒に航空機から降りたことに気づくことができなかったとみられています。
NHKニュース
07月09日 15時22分
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210709/1000067055.html