■神宮外苑のイベント会場で展示物が燃える火事 5歳男児死亡
6日午後5時20分ごろ、東京・新宿区霞ヶ丘町の明治神宮外苑のイベント会場で展示品が燃えていると、警視庁や東京消防庁に通報がありました。
会場にいた人が消火器で消火活動を行うなどして、火はまもなく消し止められましたが、警視庁によりますと、この火事で、
東京・港区の幼稚園児、佐伯健仁くん(5)が搬送先の病院で死亡が確認されました。
また、助けようとした健仁くんの44歳の父親と、別の40代の男性が顔にやけどをしましたが、いずれも命に別状はないということです。
警視庁やイベントの主催者などによりますと、当時、明治神宮外苑では現代アートの作品を展示するイベントが開かれていて、
焼けたのは、日本工業大学工学部建築学科の学生が中心となって作る「新建築デザイン研究会」という部活動が出展したもので、ジャングルジムのような形の木製の展示物です。
大きさは、高さが3メートル、幅が5メートル、奥行きが2メートルあり、人が中に入って遊べるようになっていたということです。
当時、健仁くんは真ん中付近で遊んでいて、火事に巻き込まれたと見られるということです。
また、展示物には木くずが敷かれ、ライトで照らされていたということで、警視庁は目撃者の話などから、木くずから出火した可能性があると見て、火が出た当時の詳しい状況を調べています。
◇主催者「全作品のチェックは困難」
今回イベントを主催した東京・港区にあるTOKYO DESIGN WEEKの川崎健二社長が6日午後9時すぎ、会場で報道陣の取材に応じました。
川崎社長はまず、「貴い5歳のお子様が亡くなられ、ざんきに堪えず、重く受け止めています。申し訳ございませんでした」と謝罪しました。
そして、「31年間続けてきたイベントで、このような事故は初めてで、悔しくてしかたがない」と述べました。
さらに、火災が起きた日本工業大学の作品「素の家」について、事前に学生側が提出した書類で構造を確認していたものの、
書類には照明と素材の位置関係など詳しい記載はなかったと説明しました。
そのうえで、「作品にとがった部分がないかや、高さなどは確認しているが、全部で600点ある作品の一つ一つを詳しくチェックするのは困難だった。
アート作品なので、主催者側からデザインについて、いろいろ注文をするのも難しい」と述べました。
このほか、川崎社長は7日までの予定だった今回のイベントを、事故を受けて、6日までで中止とすると述べました。
また、学生作品展のエリアの責任者を務める多摩美術大学の田淵諭教授も川崎社長とともに取材に応じ、
「展示は消防法にも照らして問題ないように準備してきた。照明など電気を使う場合は電圧に制限も設けていた。
火災が想定されないかは開催前から十分確認していた」と述べました。
◇大学「本当に申し訳ない」
火災が起きた作品を出展した学生が所属する日本工業大学は、6日夜、埼玉県宮代町のキャンパスで取材に応じました。
この中で、藤田則夫常務理事は「まずもって謝らなければなりません。大変申し訳ありませんでした」と謝罪しました。
大学の説明によりますと、作品を出展したのは工学部建築学科の学生が中心となって作る新建築デザイン研究会という部活動だったということです。
この部活動は、ことし5月の時点で、1年生から4年生までの学生34人が参加していて、今回のイベントにはここ数年、続けて作品を出展していたということです。
また、作品の詳細やどのような安全対策をとっていたのかについては把握できていないということですが、この部活動の部長を務める3年生の男子学生は、
大学に対し、「白熱電球は使っておらず、LED電球1個を使っていた」と話しているということです。
(続きはソースで)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161106/k10010757741000.html