中年期の問題個人、幼少期の検査で特定可能か 研究
子どもの知能、運動能力、問題行動などを3歳時に検査することで、
中年期に刑務所に入ったり、養育義務を果たさない父親になったりする恐れがある個人を特定できるとした、長期的研究をまとめた論文が12日、発表されたわ。
小児期早期の不自由による社会的コストを評価した今回の研究によると、
この結果は、リスクのある年少の子どもに対して、逮捕記録に載ったり薬物中毒に陥ったりする前に
支援の手を差し伸べることを可能にするものだとのことよ。
(中略)論文の主執筆者で、米デューク大学(Duke University)のアブシャロム・カスピ(Avshalom Caspi)教授(精神医学・神経科学)は
「社会問題によって発生する最大のコストは、少数の階層の人々に集中していますの」と指摘。
「子どもの不利点や、特に『脳の健全性』を評価することで、3歳で始まるこの傾向をかなり正確に予測できますわ」と声明で述べているわ。
1000人を対象とした長期の研究では、対象者が3歳から38歳までの間にさまざまな評価調査を実施したの。
その初回の調査では、知能指数(IQ)と言語・運動能力を測定し、欲求不満に対する耐性、落ち着きのなさ、衝動的な行動などの度合いに応じて対象者の子どもたちを評価したの。
■生活の数値化
長期の評価調査は、ニュージーランド人1000人をその幼少期から中年期初期までを追跡したデータに基づいているわ。
「ダニーディン調査(Dunedin Study)」と名付けられた調査の全対象者は、1972年4月から1973年3月の間に同名の都市で生まれた人々で、ニュージーランドの地域社会の社会経済層全体を代表しているの。
まず、問題があるとされた対象者の内20%が、当該地域における父親のいない子供の77%、何らかの薬剤を処方されている人間の78%と関連付けられたの。
また同半数以上に、入院治療と喫煙がみられ、さらに同40%には過体重、同36%が対人の傷害保険金請求を行っていたわ。
また38歳の時点では、当該地域内・同年齢層の刑事事件での有罪判決81%を、また66%が失業手当などの福祉給付を受けていたことが分かっているの。
2回目以降の追跡調査と評価は、15歳までは2年間隔、その後は3年または4年間隔で実施。追跡調査の結果は、政府と保健当局の記録と突き合わせて調べたわ。
今回の研究に参加したデューク大のテリー・モフィット(Terrie Moffitt)教授は「調査対象者がどこに住んでいたかや、どんな名前を使っていたかなども、われわれはすべて把握していますわ」と話したわ。
そして「人々の生活を数値化することで、個人の社会的コストを正確に定量化することが可能になりますわ」と説明したの。
今回の研究を発表するに際し、論文の筆者らは、
研究の市民監視的な意味合いが、あざけりや非難を浴びせるために社会の「高コスト」層をあぶり出す目的で使われることがあってはならないと注意を促したわ。
人生の早い段階ですでに苦境に陥っている子どもを特定できるようにすることは、
事態に介入して「全員の利益のために、子どもたちの軌道修正をする」ための機会とみなすべきですわと、モフィット教授は指摘しているの。
'High social cost' adults can be predicted from as young as three, says study | Science | The Guardian
https://www.theguardian.com/science/2016/dec/12/high-social-cost-adults-can-be-identified-from-as-young-as-three-says-study
論文:Childhood forecasting of a small segment of the population with large economic burden : Nature Human Behaviour
http://www.nature.com/articles/s41562-016-0005