ナルメフェンを試した方はいらっしゃいますか?
アルコール依存症、今こそ治療 飲酒の誘惑、薬で断つ
NIKKEI STYLE
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO24618220U7A211C1NZBP00 断酒のための薬が抗酒薬だ。
抗酒薬を服用後にお酒を飲むと、下戸の人が飲酒したときのように心臓の激しい動悸や吐き気を催し、飲酒を抑制する効果がある。
抗酒薬には「ノックビン」や「シアナマイド」の2種類がある。
東京アルコール医療総合センター(東京・板橋)の垣渕洋一センター長は「シアナマイドは肝障害の副作用が出ることがあり、ノックビンが第一選択肢」と語る。
ただ抗酒薬は飲酒時の不快感と肝臓や心臓への負担が大きい。
より緩やかに症状の改善が期待できる飲酒抑制薬も登場した。
日本新薬が2013年に発売した「レグテクト」だ。
一日3回食後に服用すると、脳の中枢神経に作用して飲酒欲求を抑える。
垣渕センター長は「抗酒薬と飲酒抑制薬を併用し、効果を確実にするのがよい」と話す。
飲酒抑制薬の分野に新規参入するのが大塚製薬だ。
10月、治療薬「ナルメフェン」の製造販売承認を厚生労働省に申請した。
審査が下りれば、18年度にも国内販売を始める見込みだ。
飲酒の1〜2時間前に服用すれば、飲酒時に特有の心地よさを感じにくくなるため、酒量が抑えられる。
飲酒への欲求はうつや不安から逃れるためもあるが、ナルメフェンはそうした心理不安も抑えられるという。
「断酒はハードルが高いが、飲酒抑制薬は酒量を中期的に減らせる効果が期待できる」(メディカル・アフェアーズ部の林孝子氏)
国内で660人の患者を対象に最終段階の第3相臨床試験(治験)を実施した。
多量飲酒(ビール中瓶3本以上相当)の日数が月11日と、服用前の約半分に減らせたという。
垣渕センター長は「禁煙補助剤の『チャンピックス』に似た効果が期待できる」と話す。