自民党は4日、衆院選(10日公示、22日投開票)で前職同士の調整が残っていた埼玉11区と山梨2区について、いずれも公認せず、当選者を追加公認する異例の裁定を下した。党内ではこれを主導した二階俊博幹事長への批判が出ている。一方、岸田文雄政調会長は、自身が率いる派閥の前職の公認見送りを許した形となり、求心力に影響しそうだ。
「理解できない。理由を説明してほしい」。岸田氏は4日の発表直前、党本部の幹事長室を訪れ、こう食ってかかった。二階氏は「復党させないと(自身が)応援に行けないからだ」と語るだけで、納得できない岸田氏はこの後、周囲に「こんなことが許されるのか」と怒りをぶちまけた。
調整の対象となっていたのは、埼玉11区が今野智博氏(当選2回、細田派)と小泉龍司氏(同5回)、山梨2区は堀内詔子氏(同2回、岸田派)と長崎幸太郎氏(同3回)。小泉、長崎両氏は自民離党組で、二階派の特別会員だ。それぞれの選挙区支部長には今野、堀内両氏が就いているため、原則に従えば両氏に公認を与えることになる。
細田派出身の安倍晋三首相(党総裁)は党幹部に「原則通り対処するように」と指示。岸田氏も山梨県連が堀内氏の公認を申請したことを踏まえ、「地元の意向を尊重すべきだ」と訴えていた。
ただ、2012年、14年の前2回の衆院選の結果が事情を複雑にした。無所属で挑んだ小泉、長崎両氏が2回とも、公認を得ていた今野、堀内両氏に勝利。今野氏らは続けて比例代表で復活当選した。
二階派はこれを盾に「強い者が公認されるのが自民党の伝統」と主張。4日の裁定文は小泉、長崎両氏について「復党と無所属立候補を認める」と明記し、今野、堀内両氏は推薦にとどめて比例との重複立候補の道を閉ざした。
二階氏の強引ともいえる進め方に、3日の選対本部会議では竹下亘総務会長(額賀派)が二階氏を前に「堀内氏に公認を出さないのはおかしい」と発言。細田派幹部も「幹事長権限の乱用だ」と怒りを口にしている。
岸田派は伝統的に、権力闘争に弱い「お公家集団」とやゆされる。派内では「いざというときに派閥は守ってくれない」(若手)と不満が漏れており、「ポスト安倍」をうかがう岸田氏には痛手となった。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6256332
「理解できない。理由を説明してほしい」。岸田氏は4日の発表直前、党本部の幹事長室を訪れ、こう食ってかかった。二階氏は「復党させないと(自身が)応援に行けないからだ」と語るだけで、納得できない岸田氏はこの後、周囲に「こんなことが許されるのか」と怒りをぶちまけた。
調整の対象となっていたのは、埼玉11区が今野智博氏(当選2回、細田派)と小泉龍司氏(同5回)、山梨2区は堀内詔子氏(同2回、岸田派)と長崎幸太郎氏(同3回)。小泉、長崎両氏は自民離党組で、二階派の特別会員だ。それぞれの選挙区支部長には今野、堀内両氏が就いているため、原則に従えば両氏に公認を与えることになる。
細田派出身の安倍晋三首相(党総裁)は党幹部に「原則通り対処するように」と指示。岸田氏も山梨県連が堀内氏の公認を申請したことを踏まえ、「地元の意向を尊重すべきだ」と訴えていた。
ただ、2012年、14年の前2回の衆院選の結果が事情を複雑にした。無所属で挑んだ小泉、長崎両氏が2回とも、公認を得ていた今野、堀内両氏に勝利。今野氏らは続けて比例代表で復活当選した。
二階派はこれを盾に「強い者が公認されるのが自民党の伝統」と主張。4日の裁定文は小泉、長崎両氏について「復党と無所属立候補を認める」と明記し、今野、堀内両氏は推薦にとどめて比例との重複立候補の道を閉ざした。
二階氏の強引ともいえる進め方に、3日の選対本部会議では竹下亘総務会長(額賀派)が二階氏を前に「堀内氏に公認を出さないのはおかしい」と発言。細田派幹部も「幹事長権限の乱用だ」と怒りを口にしている。
岸田派は伝統的に、権力闘争に弱い「お公家集団」とやゆされる。派内では「いざというときに派閥は守ってくれない」(若手)と不満が漏れており、「ポスト安倍」をうかがう岸田氏には痛手となった。
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